建基法マニアの探訪 第2回ブログはM.Kがライターです。
建築基準法に携わって約17年、止めどない法改正についていくのが精いっぱいの日々を送っています。自分だけで法の深~い部分を探求することはできないですが、模試作成などを通じ、BONTの仲間に勉強の機会を与えてもらえていることに、常々感謝しています。
さて、そんな私が今回向かったのは、愛知県名古屋市です!名古屋と言えば、味噌カツ♡ 手羽先♡ ひつまぶし♡ ですが、食べたい気持ちをグッとこらえて、最初に行ったのは
「文化のみち二葉館」
(旧川上貞奴邸)です。
「日本の女優第1号」の川上貞奴が、大正時代に居住していた建物で、平成12年に名古屋市に寄付譲渡され、市が建物の解体・保管を行うとともに、関係者への聞き取りや文献調査をもとにした復元プロジェクトも始まったそうです。
元々あった東区白壁3丁目から、現在の橦木町への「移築復元工事」が始められ、5年の歳月をかけて平成17年に完成・開館しました。
ん?「移築」?
「移転」だと、建築基準法上、既存不適格部分の遡及緩和があるけど、「移転」と「移築」って何が違うんやろ。。。
【建基法ショートコラム】
昭和26年住指発838号では、「移転とは同一敷地内で解体することなく移転することをいい・・・・」と始まっており、主に曳家等のことを指すらしく、今回のように、一旦解体して、別の場所で元通りに組み立て直す「移築」(解体移転)は、「新築」に該当します。
(ちなみに、平成26年の法改正で、敷地外への移転も可能となりました。)
新設部分と移築、復元部分の和洋折衷な造りが、なんとも言えないレトロ感を醸し出していました!国の登録有形文化財にも登録されています。
また、移築部分に使われている材料は、移築前の建物の材料を8割も使用しているそうです。
丁寧に解体して保存されたんでしょうね。
文化のみちには、まだまだ面白そうな建物がありそうでしたが、今回は中まで入れず外観のみ見学でした。また機会を見つけてじっくり見てみたいと思います。
『文化のみち』
名古屋の近代化の歩みを伝える歴史的な遺産の宝庫ともいえる名古屋城から徳川園に至る地区一帯を「文化のみち」として育み、イベントの実施や、貴重な建築遺産の保存・活用をすすめています。(名古屋市HPより抜粋)
https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000011525.html
続いての探訪先は、名古屋駅から電車で1駅の伏見駅から徒歩8分のところにある
名古屋市美術館
です!複数の門型アーチが鳥居みたいでカッコいい!
こちらは、昭和63年(1988年)に開館した白川公園内にある美術館で、設計者は黒川紀章さんです。
ちなみに余談ですが、私が黒川さんの作品で最も好きなのは、銀座にあった、カプセル型の集合住宅「中銀カプセルタワービル」です。(最近解体されてしまいました><)
めっちゃ斬新でめっちゃかっこいいですよね!
カプセルは、140個中 23個救出され、主に世界中の美術館等で展示されるそうですが、使用目的が再生PJの趣旨に賛同するものであれば、無償譲渡を受けることができるそうです。
ぜひとも欲しいなこのカプセル。 まだ残ってるかな。手に入ったら、適法な置き場所を考えないといけないな。。。
「ん?」
置いたら、確認申請が必要で、これこそ 「移転」?????
いや、部分的な 「移転」 なんて無いのかなぁ。
それとも、土地に定着しない「可動式カプセル」と解した方が、コンセプトに忠実かなぁ?
閑話休題。
美術館は公園内にあるため、公園全体の容積、建ぺい率などに厳しい制約があり、1層を地下に埋込み、高さを2階建に抑え、敷地形状に合わせた南北の主要な軸と北西に開いた副軸とによって構成されていました。
入口に近づくと、なんと、台風接近による臨時休館日だったため中に入れず、外観のみ見学することに。。。トホホ><
地階には展示室等があるほか、3層吹抜けのホールや、サンクンガーデンが見えました。
この3層吹抜けホールの竪穴区画が見たかったんだけどなー。:;
写真では、展示室っぽい部分の吹抜けに面している箇所には、シャッターらしきものがありそうだけど、吹抜け内を貫通している渡り廊下との区画がどうなってるのか、ぜひ見たかったなー。
竪穴区画は昭和44年5月1日施行なので、
きっとできていますよね。 うん。
見学を終えて帰ろうとしたら、なぜか公園内に地球儀が!
これは中に人が入れないので、建築物ではないですね。(中に入れても、きっと「遊具」ですね(笑))
かわいかったので、美術館をバックに撮影(⋈◍>◡<◍)。✧♡
このあと、待望の名古屋めし三昧の時間を過ごしたのは、いうまでもありませんが特に「矢場とん」の味噌ヘレカツが、ヤバすぎるくらい美味しすぎました!
名古屋、最高に美味しかったです!
ちゃんちゃん!
(M.K)