建基法マニアの探訪 第3回ブログは、またまたM.Kがライターです。
今回の建物は、兵庫県芦屋市大桝町にある「芦屋モノリス」
親戚の結婚式のために訪れました!
芦屋モノリスは、昭和4年に、日本電信電話公社(NTT)の電話交換局として通信省技官の上浪朗氏により設計・建造された旧・逓信省芦屋別館です。
NTT芦屋営業所の統廃合により、平成15年に閉鎖され、平成17年にフランス料理レストランにリノベーションされました。
当時流行したレトロモダンなネオルネッサンス様式で、外壁にはレンガに似た風合いを感じるスクラッチタイルが使用されていました。
また、アールデコ調の美しい曲線を大胆にデザインした回廊は、アーチ窓がとてもお洒落でした。
室内の階段も、一本石の大理石が美しかったです。
【建基法ショートコラム】
この建物は平成29年6月に国の登録有形文化財に登録されていますが、登録有形文化財は、建築基準法第3条第1項の各号いずれにも該当しないため、適用除外とはなりません。そのため、飲食店舗としてリノベーションする際、用途変更の確認申請をしています。
今後、同条第1項第3号の指定を(建築審査会の同意を得て)受けることが出来れば、適用除外になるかも知れませんね。
なお、用途変更の場合、法第87条の規定に基づき一部の条文について現行法が遡及されます。特に法第48条(用途制限)には注意が必要です!
余談ですが、芦屋市内には、有名な重要文化財が1つあります。
山手町にある、大正13年に竣工したRC建築として最初の重要文化財、巨匠フランク・ロイド・ライトが日本に残した貴重な作品
「ヨドコウ迎賓館」
公式HPhttps://www.yodoko-geihinkan.jp/about/
↑Wikipedia「ヨドコウ迎賓館」より引用
こちらは法第3条第1項第1号に該当するので、建築基準法の適用除外となっています。
適用除外だからと言って、なんでもできるわけではなく、文化財保護法での規制を受けることとなっています。建築基準法より厳しそう。。。(><)
駅のすぐ近くにあった
「芦屋警察署」
も印象的な建物でした。
昭和2年竣工の石造の庁舎は、建物の一部を保存していて、正面玄関は御影石で造られていました。玄関アーチ上部のミミズクの彫刻が、夜の警備を象徴していて、玄関アーチの内部の階段や壁のタイルも当時のまま保存されていました。
今回は結婚式ということもあり、普段お目にかかることのない、おフランス料理三昧を堪能しながら、この日契りを交わしたお二人には、神の御加護が末永く適用され続けるよう祈ってきたのでした。
名古屋に続き、芦屋も最高に美味しかったです!!ちゃんちゃん!